ふたりの言葉。



なんで、若葉は……私を頼ってくれないんだろう。



「肺炎なんて、嘘だよ……。だって、若葉。こんなにも、細くなったじゃない……!!」



私は、若葉の手を握ってそう言った。



すると若葉は、驚いたような嬉しいような切ないような……なんだかいろんな感情が混ざった複雑な表情をした。



「ねぇ、若葉?私って、そんなに頼りないかな?

そんなに、若葉の力にならないかな?

こんなにも……若葉のことで頭がいっぱいになっているのに……。

若葉のことばかりなのに……」



私は、自分の顔を手で覆ってそう言った。



そうでもしてないと、若葉の顔を見たら涙が出てしまいそうだから。


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