ふたりの言葉。



「若葉くんは、重い病気を持った患者なの。しかも、末期の」



「……は、い」



「ちょっと、向井さん。そんなこと言わなくても……」



ムカイさんは、私の目をしっかり見てそう言った。



何を言われるのか想像もつかなくて怖くなる。



「だから、分かって欲しいの。若葉くんを、こうやって外に連れ出すことでどうなるのか」



「ちょっ……向井さん!そんな言い方しなくてもいいじゃないですか…っ!」


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