ふたりの言葉。



若葉は、一瞬フリーズした後、フッと微笑んでこう言った。



「俺は今、もっと強くなるために修行に行ってんの…神様のな。

強くなって、和奏しっかり守るから」



「…強くならなくていいもん…。

だから、お兄ちゃん…帰ってきてよ…。

寂しいよ……」



和奏くんは、涙を堪えてそういった。



これが当たり前なんだ。
大好きなお兄ちゃんの傍にいられないことがどんなに辛いことなのか。



私にはよくわからないけれど、無性に泣きたくなった。


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