ふたりの言葉。



「お兄ちゃん。またね!」



若葉は、和奏くんからの紙を受け取って笑顔で「じゃあな」と言って私と一緒に家を出た。



若葉は家を出ると、そのまま立ち止まったままで歩く素振りを見せない。



「若葉……」



「やっぱ…っ…悲しいもんだなっ…」



涙は出てはいないけれど。



若葉は、泣いている。


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