ふたりの言葉。



琴が帰った後、入れ違いで母さんが病室に入ってきた。



「具合は?」



「大丈夫……とか言いたいけど、正直に言うと、もう持たないわ」



「頑張ったわよ、若葉は」



俺は、ベッドについている机に、いつの日か母さんに買ってきてもらった便箋を置いてある人宛てに手紙を書き始める。


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