ふたりの言葉。



【 琴side 】



若葉に、病室を追い出されて私は暇で、とりあえず病院をウロウロしていた。



「あら、オトハちゃん」



「優子さん!」



目の前から歩いてきたのは、優子さんと和奏くんと…多分、若葉のお父さんだ。



「朝早くから、ありがとねぇ」



「全然です!今日は……若葉の誕生日だから……」



何もあげられないけれど、せめて一緒にいるだけでも。



だって、まだ……若葉はいなくならないでしょ?



余命まで、もう少しある……から。



あと1ヶ月。



笑顔で……いないとね。


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