ふたりの言葉。



「あ……初詣……琴は何願ってたの?教えて」



「やだよ……やだよ……!」



だって、願いって人に言うと叶わなくなるんでしょう?



私は、今じゃ弱々しくなった細い若葉の手を握り、泣きじゃくる。



「いいから、最後くらい俺の言うこと聞いてよ」



未だにマトモに若葉の言うことは聞いてこなかった私だけれど、この頼みは一番聞きたくない。


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