ふたりの言葉。



そして、何秒か経つと目を開いてお墓を見ながら私に言った。



「俺さ、兄ちゃんに頼まれたことあるんだ」



「若葉に頼まれたこと…?」



「覚えてない?琴羽が、初めて俺に会ったときに……」



和奏くんがそう言ったおかげで、私は思い出した。



「あの時!若葉が、和奏くんに耳打ちしていた……」



「そう。俺、ずっとそれを守らなきゃって思って」



和奏くんは、立ち上がると私の腕を引っ張って立ち上がらせた。


< 387 / 400 >

この作品をシェア

pagetop