ふたりの言葉。
そして、何秒か経つと目を開いてお墓を見ながら私に言った。
「俺さ、兄ちゃんに頼まれたことあるんだ」
「若葉に頼まれたこと…?」
「覚えてない?琴羽が、初めて俺に会ったときに……」
和奏くんがそう言ったおかげで、私は思い出した。
「あの時!若葉が、和奏くんに耳打ちしていた……」
「そう。俺、ずっとそれを守らなきゃって思って」
和奏くんは、立ち上がると私の腕を引っ張って立ち上がらせた。