ふたりの言葉。



私は、スカートについたゴミをパタパタと払って、頭1個分くらい高い和奏くんの顔を見た。



「何の約束をしたの?」



「……俺がいなくなったら、琴羽を頼むって。アイツを一生笑顔でいさせてくれって。

当時5年だった俺は、兄ちゃんが死ぬなんてことも知らなかったし…わかんなかったけど。

今なら、わかるよ。俺、兄ちゃんとの約束守るから」



泣きながら崩れ落ちた私を、和奏くんはそっと抱きしめてくれた。


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