ふたりの言葉。
「だから、琴羽が兄ちゃんに会いに行きたいならいくらでも行ってきなよ。
その代わり、絶対俺のとこに戻ってくること。わかった?」
「うん……う、んっ……和奏くん、ありがとうっ……」
実はずっと前から決めていた。
もうすぐ、8月7日。若葉と約束したあの日だから。
「兄ちゃんが、誰よりも琴羽を大切にしていたことは俺が知ってるから。
琴羽もそうだろ?
俺は、2人とも大切だから。待ってる」
「うん、私……行ってくるねっ……」
私がそう言うと、和奏くんは優しく私にキスしてくれた。