ふたりの言葉。



「だから、琴羽が兄ちゃんに会いに行きたいならいくらでも行ってきなよ。

その代わり、絶対俺のとこに戻ってくること。わかった?」



「うん……う、んっ……和奏くん、ありがとうっ……」



実はずっと前から決めていた。



もうすぐ、8月7日。若葉と約束したあの日だから。



「兄ちゃんが、誰よりも琴羽を大切にしていたことは俺が知ってるから。

琴羽もそうだろ?

俺は、2人とも大切だから。待ってる」



「うん、私……行ってくるねっ……」



私がそう言うと、和奏くんは優しく私にキスしてくれた。


< 389 / 400 >

この作品をシェア

pagetop