ふたりの言葉。



「若葉、もう試合?」



「うん、次。ねぇ、琴さぁ…なんか、ピン持ってない?」



「ピン?」



「前髪邪魔なんだよね」



若葉はそう言って、茶色がかった自分の前髪をサラサラと触った。



「若葉、しゃがんで」



私は、自分のつけていたヘアピンを若葉の前髪を横に流してパチンと止める。


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