ふたりの言葉。



「えと……まだ……」



愛梨ちゃんは、いつも朝は若葉と教室に来ていた私が、すれ違ってから来なくなって……それに気づいてくれたんだ。



「仲直りしないと、後戻りできなくなるよ?」



「……わかってる」



私は、愛梨ちゃんに素っ気ない返事をして、自分の席に戻った。



折角……折角、愛梨ちゃんが私のことを心配してくれてのに。



こんなの、愛梨ちゃんだけなのに。



若葉は……まだ、教室に来ていない。


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