ふたりの言葉。



「だから……若葉がっ……人気高いのも嫌でっ……

私、彼女じゃないし……こんな事も言えないけれどっ……っ……でも……」



ここまで言うと、いきなり右手を若葉に引っ張られて、目の前が真っ暗になった。



「わ、……若葉……?」



「分かってる。……琴が俺のことを好きなことくらい痛いほど分かってる」



若葉は、私を優しく抱きしめながらそう言った。



「うっ……うぇぇえ〜……っ……」



伝わってた。



それだけは、伝わってた。


< 96 / 400 >

この作品をシェア

pagetop