君に好きと伝えたくて。
「そいでしたら、まさか店のために!そんないけません!喜美菊太夫は柳角桜の太夫でありんすよ!」




美琴新造の言いたいこともわかるに。
何も店の為だけに身請けされるなんて。



「お黙りんしゃい!」


部屋の空気が変わった気がする。
いつもは優しい姐さんが声を張った。



「おまんたちは何も知らんでしょうね!あちきがどんな思いで此処にいるか!やっと自由になれるでありんす!もうあちきを自由にしておくんなまし…」






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