怪盗pudding
第1話 とある女子中学生の会話
私は夢を見た。そこには果てしなく続く焼け野原。周りを見渡すと他に5人、倒れたまま動かない。ここはどこ?一体今、何が起きているの…?そう思った時、ピピピという音が私の耳を貫いた。

「……う…ぁ…夢かぁ…」
今日は4月6日、私立北川学園の新学期だ。ここで眠い目をこすっているのは坂垣なるみ、北川学園中等部2年生。今はそこら辺にいる普通の女子中学生だ。
時計をみると7時52分。
「……7時52分…まだ寝れる………あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!遅刻する!!!あと8分!」
家の中を忙しく走りまわり、7時55分自転車で学校を目指した。

『キーンコーンカーンコーン…』
チャイムが鳴り響いた。その瞬間、
「おはよー!!!!」
なるみはギリギリ間に合ったようだ。
「おはようなるみ!ギリギリ間に合ったね!髪ボサボサだよ?」
最初に声をかけたのは草知彩、小学校から仲のよかった人の1人だ。
「クラス表、もう出てるよ!早く見に行こ!」
彩となるみは仲は良くても、同じクラスになったことはない。だが、小学校のころ同じバレーチームに入っていた2人はすぐに仲良くなったのだ。
「あ、私6組だよ!なるみは?」
彩がそう言って振り返る。なるみは呆然と立ち尽くしたまま動かない。
「わ、私…1組。」
彩となるみは見事にクラスが離れていた。
呆然と立ち尽くすなるみのそばに2人の少女が駆け寄ってきた。彼女らは山岡真鈴と夢野澪、2人は1年の頃同じクラスだった。
「おはよ!クラスどーだった?私5組だよ!澪は4組だってー」
なるみはさらに硬直した。なぜなら私1人だけクラスがかなり離れていたからだ。しかも、なるみの担任はあの学校で一番怖いといわれている先生だからだ。あとから聞いた噂によると1組は問題児が集まるクラスだともいわれていた。神様は私を不幸にしたいのか。。。 そう思いながら1人、トボトボ1組へ歩いていった。

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