日記帳
 おっし!
 そろそろ家出よ。
「行ってきマッスルマッスル!!」 
 私は片手にカバンを持ち、そのまま玄関に向かう。
「あんた、おかしいんとちゃう?」
 おかしくて結構でーす。 
「んじゃね~!」
 お母さんの言葉を無視して、玄関を開けるとそこには、
「うほぉお!」
 満開の桜!
 綺麗だ………。
 うんうん。ここら辺に引っ越してきて良かった。
 自然は、天からの恵み!正直、都会より田舎のが好きかなぁ。空気も綺麗だし!
 両手を広げ深呼吸する。
 きんもちぃいぃ!!もう、さいっこう。
 私はトボトボと歩き出す。
 あっ、近所にすんでる人だ。
「おはようございまーす!」
「おはよう。元気だねぇ。」
「いえいえ!そんなことないです!」
 照れるじゃねーか。
 ふふふ。気持ちぃなぁ!!
 楽しいし!
ドンッ!!
「いったっ…。」
「あっ。」
 誰かにぶつかっちゃった!謝らないと…。
「すみませんっ!前みてなくて…。」
「ごめんねっ!僕もみてなかったんだ!」
 えっ?声可愛い。
 顔を見上げる。
 これは……!!
 整った鼻筋、大きな目、そしてプルりとした唇!おまけに眼鏡もかけてる!
 私好みのイケメン…!!
 こんなに男にドキッとしたの初めてかも…。
 やばっ。目見れないかも…。
「どうしたの?」
「な…何でも…ない……です。」
 やっぱし目ぇ見れない!不自然に思われるかな。
「そっか…。君、どこの高校?」
「朝日高校です…。あなたは?」
「僕も朝日高校!一緒じゃん!今日クラス迎えに行くから、一緒に帰らない?ってか、何年何組?」
 やっったぁあぁああぁ!!
 これナンパ?軽いナンパだよね?!
「2年1組です!よければ一緒に帰りましょう!」
「うん!!よかった!あと、敬語使わなくていいよ。僕も2年だし!」
「そうなんで…、あっ、そうなんだ!じゃあ帰りはよろしく!」
「うん!!じゃあまた、帰り会おうね!」
「うん!」
 すると、男の子は去っていった。
 あっ、名前聞いてない。
 まぁ、いっか。顔覚えたし。
 いやぁ。
 フレンチトースト食べたら本当に良いことあった。
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