愛と勇気の英雄伝承
城の崩壊
ーーここからは一部暴力的な言動がありますが現実とは関係ありませんーー
「死ね死ね死ね!!あんたなんかっ!!」
ゲシゲシと、母ジュリアが
娘、リベアの背中をける。
「お母様・・・私の事は好き?必要??」
急にそんな事を言い出すリベアに
母親の怒りは頂点に達した。
「はぁ?!嫌いに決まってんでしょうが!あんたなんかと暮らすぐらいなら、 死んだ方がましよ!!」
その瞬間だった。
ジュリアの首から上が消えたのは・・・。
キャアー!!!
我先にと逃げ出すメイド達の首も、次々ととんでいく。
「ウフフフフッ!死んだ方がましなんだから、文句はないですわね♪
こんな頭じゃあ文句も言えないわね~(^-^)」
髪が黒く染まっていく・・・。
ニコニコと
今までにはないくらいの笑顔を見せるリベアに
恐怖を覚えたのと同時に
その場にいる全員はさとった。
(逃げられない・・・。)
ケラケラと人殺しを楽しんでいるリベアには
すきが、全くなかった。
逃げようとする事は
自殺行為だったのだ。
かと言って
逃げなければ、大人しくリベアのえじきになってしまう。
「リベア、おやめなさい。」
コツコツと、靴音をひびかせながらやって来たのは
20代前半くらいの女性。
「メリッサメイド長!!」
1年前から、主張だったが
今日帰宅した
メイド達の頭となる
メイド長、メリッサだった。
(メリッサメイド長なら!勝てる!!)
皆がそう思ったのには理由がある。
本来メイド長は
そこに仕えた長さによって決まるものだが
リベア達の父親こと、国王は
戦いが大好きだった為
城のメイド長は、戦闘能力が
1番すぐれている者になった。
「リベアそんな事をしても、あなたには何も良い事はありませんよ?」
メリッサが、説得しようとするが
リベアは、メリッサの話しに聞く耳を持たず
他のメイド達を殺していく。
(魔法系統・・・、肉体強化術か。子供には、不可能な魔術だが。)
「聞かないのなら、力ずくで!」
メリッサは、足についている革の短剣入れから
高等魔術で作られた日本の短剣を引き抜き
リベアに向かって、走っていく。
「あなたは強いのです?」
目は、漆黒の闇を映し
身体はむしばまれている。
ケラケラと笑いながら
こちらを向いて、ゾッとするような笑みを浮かべる。
「素敵な玩具が増えたわ!」
(恐ろしい…。あれが、リベア様なの?)
キンッ
剣と、リベアの強化された腕がぶつかり合う。
「玩具は、すぐに壊したら面白くないわよね。」
リベアの口の端がニヤリと上がった瞬間ーー
「うっ・・・。」
倒れたのは
リベアだった。
「リベア様、今のあなたには私を倒す事は出来ません。」
悔しそうにメリッサをにらむリベア。
「偉そうに・・・。
ムカつくムカつくムカつくムカつく!!!!」
ブワッと、黒く帯びた突風が巻起こる。
「あ、あれは・・・!伝説の闇戦士、リベア!?
ま、まさか!伝説が、繰り返される?!」
「お姉様のせい・・・。全部全部!お姉様が、私から沢山のモノを奪って行ったせいよ!!!」
ギラギラと、血に染まった様な赤い目を光らせながら
手から、黒いかたまりのような物を出すと
ー次の瞬間ー
幸せ満ちていたアンデリアの街は
跡形もなくなっていた・・・。
「待っていて下さいお姉様。
伝説は、現実になるのですよ、たった1つ違うのは、私が生き残る事。」
背中には黒い翼があり、黒髪を風になびかせながら
がれきと化した城の上に立つリベアは
誰から見ても
闇と共にする
ーー悪魔だったーー