愛と勇気の英雄伝承
「リベアー!!リベア!」
ガチャっと大きなドアを開けて、姉のラズリがお城の医務室に入ってきた。
「お姉、さま......?」
苦しそうに、ベットから手を伸ばすリベア。
「あぁ!苦しそうに……!何か食べる?それとも氷を持ってこようか?」
病弱なリベアはたびたび病にかかり、その度に苦しそうにしていたが
姉のラズリが心配しない様に、楽しい話しをして聞かせていた。
そんな妹を見るのが苦しくなったラズリは、伝説の宝石を探しに
1人旅に出ていった。
そんなラズリを両親はとても心配し、リベアの事は全部
お世話係のアンナに任せ、捜索に全権力をかけていた。
「ラズリは、ラズリはまだ見つからないの?!
お願いだから、ラズリを探してちょうだい!!お願い!お願い!!」
「落ち着け!落ち着くんだ……。
ラズリはもう、20歳だぞ?!
今は捜索に全ての力を尽くして、願うだけだ。」
二人の母の精神は病んでいき、ヒステリックに叫ぶ事もしばしばあった。
「あんたのせいよ!!あんたのせいで、ラズリは……うっうぅ。」
「やめろ!!あの子のせいじゃないだろ?」
(わたしの…せい……?)
リベアは、辛い母のあたりに耐えながらも、ずっと姉の行方を心配していた。
「お姉ちゃん……もう、良いのに。私の、為に……。」