愛と勇気の英雄伝承
妹の為に
「はぁっ、はあっ……。」
今頃私が居なくなった事に気づいた頃だろうか?
冷たい冬の風が、ビシビシと頬に突き刺さる。
帰りたいよぅ……。
「きゃあっ!!」
雪に足を取られて、うつ伏せにバタリと倒れる。
もう、ダメだ……。このまま凍死してしまうのだろうか?
「リビアに、渡せなかったな……、伝説の…宝石...。」
そう言うと、目の前が真っ暗になった。