愛と勇気の英雄伝承
パチパチッ。
たき火の燃える音、まきを投げる音。
(ここは……?洞窟??)
ムクリと起き上がると、たき火の近にいる誰かが、
「起きたか……?」
と話しかけてきた。
年は同じくらいで、たくましい体つきの男性のようだった。
「助けてくれたの……?あのっ!あなたは?」
その人は、少し照れくさそうに
「……シフ、ルシフだ。」
と言った。
ラズリは、顔を輝かせて
「私はラズリ!!何か、本当に伝説みたいねっ!妹は、リベアだし!」
すると、せんが抜けた様にペラペラとしゃべり出した。
「お、おう……?でも、本当に伝説なら、お前が妹に襲われるんだぞ??」
ハッとした顔で固まり、急いで言い訳を探す。
「で、でもでもでもも!かっかんだだっ!え、えっーとね、えっとね!
だから、その!リベアはいい子で、お姉ちゃん思いで、いい子で……あれ?
そのっ!とにかく、人を襲う子なんかじゃ無いのっ!!」
顔を真っ赤にしながら、妹をかばうラズリを見て、ルシフが吹き出した。
「くっくくく……。分かった、分かった!いい子なんだな?」
「うん!そうなの!!」
ルシフの言葉を聞いてホッとする。