半分のキモチ
夏休み明けに清水に彼女が出来たと聞いた。


男子はその話で盛り上がっていた。
その中心には「うるせーな」と嬉しそうな清水の顔があった。


その顔を見てまた胸が痛い。
うずくまるように机に体をふせて、視界から清水を消した。


気持ちもこんな簡単に消せれば良いのに。


気付きたくない気持ちに気付いてしまった。
気付いちゃいけない気持ちに気付いてしまった。


「清水を好きなんて物好きも居たんだな」

「木村さんって言ったらポイント高いじゃん」


視界から消えても話は聞こえてくる。


ポイント高いって何のポイントだよ!
うっさい!バカ!
それ以上しゃべるな!


頭の中で文句を言いながら、早く終わって欲しいと願った。


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