半分のキモチ
「好きでごめん……清水を好きになってごめん……」


リサではなく俺をジッと見つめ、また唇を噛み締める。


その言葉に、
泣きそうに笑う宮本の顔に
胸の奥が熱くなる。


「……宮本」

「でも、清水はリサちゃんだけ、だよ……私なんてはなから相手にされてない、から……心配する必要ないよ」


その言葉に、
泣きそうに笑う宮本の顔に
今度は俺が唇を噛み締めた。


リサにこんなことをさせて、
宮本にこんなことを言わせて、


「……帰る」


そう言ったのはリサだった。
一人で教室を出るリサを見て「清水、追いかけなよ」と宮本が軽く俺の背中を押す。


「何、言ってんだよ。お前、蹴られてんだぞ」

「私は大丈夫。リサちゃんと約束してたんでしょ?ほら、」

「こんな時くらい自分の心配しろよ。」

「良いから早く、」


今度は俯いて強く俺の背中を押し「清水には……泣き顔見られたくない」と初めて本音を言ってきた。


「ごめん。限界だから……」


振り向けば宮本はもう泣いているだろう。
だけど「分かった」と宮本に言われるがままリサの後を追って教室を出た。


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