半分のキモチ
「何、言ってんだよ。お前、蹴られてんだぞ」


清水がそう言って心配してくれてるだけで、
私はそれだけで良い……


「私は大丈夫。リサちゃんと約束してたんでしょ?ほら、」

「こんな時くらい自分の心配しろよ。」

「良いから早く、」


私はもっと強い力で清水の背中を押した。
早く、早くこの場から居なくなって欲しい。
今は視界に入って欲しくない。


理由は一つしかないんだよ。
「清水には泣き顔、見られたくない」


だって、もう……
「ごめん。限界だから……」


これ以上一緒に居たら言いたくないことまで言いそうだった。
泣きたくないのに、涙が零れるそうだった。


リサちゃんのことを追って行く清水の後ろ姿。


私に見つめることが許される唯一の清水の姿。


今はそれさえ真っすぐ見ていることが出来ない。


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