半分のキモチ
「愛子!昨日、どうしたの?メールとかしたんだよ」

「あっ、うん。ごめん。ちょっと調子悪くなって……先に帰っちゃって」

「そうなの?大丈夫?」

「う、うん。ごめんね……」

「調子悪かったなら仕方ないけど、心配するから連絡くらいしてよ」


京子はそう言って「無理しないでよ」と私の髪を撫でた。


「うん。ありがとう」


自分の席へ座ると清水が教室へ入ってくる。
いつものように少しダルそうに歩き自分の席へ座った。


「泣くなよ」と抱きしめられても、やっぱり清水との距離は遠いんだと感じた。
「俺は今は誰のモンでもない」と抱きしめられて、少しは清水との距離が近く感じた。


だけど、変わりようのない私と清水との距離。


「……ごめん京子。やっぱりまだ調子悪いから、今日は帰る、ね」


今はまだ、
清水の顔を見るのはキツイ。
嘘でもいつものように笑っていられない。


笑っていようと決めたのに。
泣かないと約束したのに。

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