半分のキモチ
「何、調子わりーの?」


私の顔を見るなりかっちゃんが心配そうに見つめる。


「顔色悪いし、大丈夫か?」

「あっ、うん……あんまり、」

「帰るのか?」

「うん、」

「そっか、じゃあ、送るよ」

「え?良いよ……かっちゃん学校行きなよ」

「良いから、良いから」


そう言って私のかばんを私の肩からかばんを取り、自分のかばんと左肩に下げ、右手で私の手を握る。


「ちょ、」

「倒れたら困るじゃん」

「倒れないよ」


そう言うんじゃないから。
体調が悪いわけじゃない。


単純に逃げただけだから……


清水からも自分のキモチからも……


なのにかっちゃんはいつもと変わらない。



「宮本の家って……」

「四つ先」

「了解。了解」


かっちゃんと二人私の家へ向かう。
電車はラッシュの時間が過ぎ静かだった。

< 127 / 250 >

この作品をシェア

pagetop