半分のキモチ
「宮本は夏休みの予定とかってねーの?」

「無いな」

「暇人だな」

「ほっとけ」

 
私もかっちゃんにつられるように笑い制服のまま砂浜に座った。
かっちゃんも私の隣に座り一緒に海を見つめていた。


ザザーっと波の音に胸が穏やかになって行く。


「なぁ、宮本。知ってるか?」

「何?」

「波の音って、胎内に居た時に聞いていた音に似てるから癒しになるんだってよ」

「……癒しね」


かっちゃんにはお見通しか。
私が帰ろうとした理由。


「行こうかな、」

「ん?」

「海とライブ……」

「マジ?!あっ、だったら皆も誘うぜ!海!あっ、中山は予定あるかな?」

「大丈夫だと思うよ。京子も私と同じで暇だから」


そう言うとかっちゃんは苦笑いをして私を見ていた。


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