半分のキモチ
かっちゃんとの会話はつきることはなかった。
他愛もない会話が今の私にはホッとした。


「かっちゃん、学校戻るの?」

「ん、あぁ。宮本は?」

「私はこのまま帰る」

「家は大丈夫なのか?」

「うち、共働きだから大丈夫なんだよね」

「なら怒られねーな」

「まーね。ってか、今から学校行っても終わりじゃないの?」

「ちょっと用事がな」

「用事って、マジで……ごめん。付き合わせちゃって」


今さらながら申し訳ない。


「俺はしたいことするって言ったろ」

「……うん」

「じゃあ、気にしない!気にしない!あっ、やっぱり気にして」

「は?」

「気にして、これは貸しにしておく」

「は?」

「そうしておけば、俺も何かお願いしやすいじゃん」

「お願い、あるの?」

「今はない。もしかしたら、出来るかもだから」


そして、私が電車を降りるまでずっと話していた。


かっちゃんのおかげでまた明日も笑える。


< 138 / 250 >

この作品をシェア

pagetop