半分のキモチ
夏休みに入ってすぐの週末。
かっちゃん達のライブがあった。


「今日も凄いね」


あの日と同じように、入り口には沢山の人達。
だけど、また引き返すことは出来ない。


夕べかっちゃんから連絡があり「絶対に来い」と「絶対に帰るな」と念を押されていた。


「じゃあ、行こう」

「え、う、うん」


京子と二人受付でチケットを渡し、ライブ会場の中へ。
薄暗い照明に独特の雰囲気と熱気。


「何か飲もうか」

「だね」


カウンターで京子とソフトドリンクを頼んだ。
カウンターに寄りかかり会場を見渡し……


「あれ、清水と三上じゃん」


京子が清水の名前言ったと同時に私の瞳には清水が映っていた。


クルッとカウンターの方に向いて見なかったことにした。


「ねぇ、愛子?あれ、」


京子の言葉を聞かないようにした。


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