半分のキモチ
「女の子二人?」

私の隣に知らない男子が笑って話しかけて来た。


「あっ、うん」

「初めて?ここ」

「二回目、」

「誰かのファン?」

「ファンって言うか、知り合いが……った、」


急に体を後ろに引っ張られトンっと何かに背中があたる。


「コイツらに用?」


首を上げると眉間にシワをよせた清水が男を睨んでいた。


「いや、別に」


しどろもどろになる男子に「用がないなら、もう良いだろう」と言ってわざと私の肩に腕を回した。


「……」

「……」

「……」

「……なんだよ」


清水が腕を離し私の隣に並んだ。


なんだよ。って、
それは私のセリフ。


ずっと、見ない振りしてたクセにまた?
何でこうやって、私の中に入ってくるの?
簡単に入ってくるの?


簡単に入ってくるのに、
簡単に出て行ってくれないの?


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