半分のキモチ
「ナンパの邪魔されて怒ってんのかよ」

「違う。そんなこと言ってないじゃん!」

「なんだよ。心配してんだろう!」


心配もするなって言うのかよ。


宮本は俺に背中を向けて、俺を見ようとしない。


克巳と上手く行ってるから、俺はもう見たくもないか?
……だよな。
俺は泣かせることしか出来なかったからな。


チッとムカつく自分に舌打ちをすると「ごめんな。宮本、俺らはあっちに行くから。ほら、清水」と三上が俺の腕を掴んだ。


「清水、何やってんだよ」


宮本達から離れて三上が呆れたように俺を見た。


「何って、宮本を……」

「分かるよ。宮本がナンパされてて気にいらなかったんだろう?」

「は?ちが、」

「だからって、宮本の気持ちも考えろよ」


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