半分のキモチ
自分の言葉でイラッとする。
克巳は宮本を誘った。
本気を出すと俺に言ったように、克巳は本気で宮本を落としにかかってる。


宮本と一緒に居る理由がないなら、自分でその理由を作り
宮本が泣けば涙を拭ってやる。
その理由が、自分じゃない相手を想って泣いていたとしてもだ。


「え?誘ったって、ライブに愛子ちゃんも来てたってこと?」


さらなる火種は俺が蒔いた。


「あぁ」

「そう……なんだ」


だけど、その火種は刈ることが出来ず俺とりさの間に燻っていた。


あれだけライブに行きたいと行っていたのに、海から帰ってきてからはライブの話はしなくなった。
だから、裕介からライブのチケットがあると言われても、それを買ってライブに行くことはなかった。


夏休みは、何度か海にも行った。
小さな祭りだったけど、お互いの地元の祭りにも行った。
一緒にいて、一緒に笑って、


もしかしたら、気にしているのは俺だけなのかもしれない。
宮本を気にはしていても、りさの中では解決出来たことなのかもしれない。

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