半分のキモチ
宮本を抱える俺の後ろから中山が心配そうについて来る。


「先生!」


中山が先に保健室に入り保険医と後から入って来た俺と宮本に視線を向けた。


「どうしたの?」

「文化祭の準備してたら倒れちゃって」

「とりあえず、ベッドに寝かせて」


保険医は奥にあるベッドの布団をはいで「こっち」とそこに宮本を寝かせるように促す。


ゆっくりと宮本をそこに寝かせて


「マジ、重い」と近くにあるソファーへと座った。
保険医は宮本の額に手を当て「熱はないわね」と独り言のように呟いた。


「コイツ、朝から様子おかしかったろ」


ベッドに居る宮本に視線を向けると、中山は不思議な顔をして俺から宮本に視線を向けた。


「疲れてんだろう」

「……そうだよね。一人で頑張ってたもんね……」

「だな、バカみたいに張り切ってたからな」


中山は俺の向かいのソファーに座り俺の知らない話をする。

< 175 / 250 >

この作品をシェア

pagetop