半分のキモチ
誰かが提案した卒業旅行。
これが本当に宮本とも、このクラスの奴らとも最後の思い出になる。


「で、お前はクラス委員なのに何もしないのか?」

「あ?」

「あ?じゃないだろうが」


正也は苦笑いを浮かべ、ポンっと持っていた教科書で俺の頭を叩いた。


「何だよ。飯買いに行きてーんだけど」

「……ちょっと、こっち来い。すぐ終わる」


正也は俺の腕を掴んで廊下の端に俺を引っ張る。


「ったく、お前は……」

「卒業旅行の準備だろう?やりたい奴がやってんだから、別に俺がやらなくても良いだろう」

「やりたい奴って宮本だろう。それは知ってる」

「なら、」


別にそれで良いだろう。


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