半分のキモチ
それを望んだ限りは覚悟はしていた。


もう清水の隣には居ることは出来ない。
もう私が大好きだったあの笑顔が、私に向くことはない。
「宮本」と名前を呼ばれることさなえない。


全部……
友達だからだとしても、その全てもなくなる。




「俺が好きなのはりさだけだって……宮本じゃないって……好きじゃないって……ちゃんと清水の口から言って欲しくて」

「……それ、」

「ん?」

「それ言ったら宮本は俺のこと忘れられんの?」

「……うん」


胸の奥がギュッと痛む。


「忘れようとしても忘れられなかったのに?」

「……うん。忘れる」

「……分かった」


そう言ったはずなのに、清水はそれから何も言わなかった。
何も言わないで隣に並んで、一緒に街の小さな光達を見つめていた。


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