半分のキモチ
最後の言葉さえ私にはくれなかった。
最後の想いさえ届かなかったのかもしれない。


だけど、正也が背中を押してくれたおかげで私は清水を好きになったことを後悔しないと思う。
何年後かに昔を懐かしむように、今を思い出したとしても、私はきっと笑っていられる。


清水を好きになって、辛くて切なくて泣いたけど、何時も泣いていたわけじゃなかったし。
嬉しくて楽しくて笑ってもいた。


今はまだ痛む胸も
きっと痛みを感じなくなるはず……
そうして歩いて行けるはず……








「卒業生答辞」








この卒業式が終われば私と清水の接点もなくなる。
そうすれば少しずつ私の中から清水が消えてくれるはず。


< 238 / 250 >

この作品をシェア

pagetop