半分のキモチ
「……人の気も知らないで」


いきなり来て、そんな話されて……
こっちはこうして隣に並んでるだけで、冷静さを保つのに必死なのに!


「先にカラオケ行ってるね」


どうして清水が屋上に来たか知らないし、
どうして清水があんな話しをしたかなんて知りたくない。
もう気持ちを掻き乱さないで欲しい……


せっかく決めたのに、また清水のあの笑い顔を見たら気持ちが戻ってしまう。


「何だよ。あの日、俺は何も言わなかったのによ」


思わずそんな言葉に「は?」と足を止めた。
確かにあの日、清水は「分かった」と言っただけで何も言わなかった。


振り向くと口角を上げ意地悪に笑っている清水が居る。


「もう、俺は用なし?」

「は?」

「俺の彼女になりたいって想いは、もうないってか?」

「は?」

「そっか、そっか、そんなもんか……」

「はぁ???」

「何だかんだ言ってたけど、やっぱりそんなもんだよな」

「あんたふざけてんの?」


私はそう言いながら清水に詰め寄り胸ぐらを取る掴んだ。


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