半分のキモチ
焼き肉からカラオケにはクラスの半分が残っていた。
20名弱。もちろん大部屋にみんな押し込まれ、こんな人数じゃ歌なんて回ってくるのにも時間がかかってしまう。

早い者勝ちだと、歌いたい奴がドンドン曲を入れて行く。

聞いているんだか、いないんだか分からない状況でイントロが流れ歌い出す。

薄暗い部屋の端っこに私は座り、そこからみんなを見ていた。


来年の今頃、みんなは何をしているんだろう……


漠然とそんなことを思っていた。


学校に行けば当たり前のように清水が居て、京子が居て、
ムカつくと怒って、バカだと笑って、
退屈だと言っていた毎日さえ、
何一つ当たり前じゃなかったのかもしれない。


清水と京子と同じクラスになったこと、
清水を好きになったこと、
こうして一緒にカラオケをしていること、


大袈裟に言うなら"奇跡"なのかもしれない。
"奇跡"ならもっと楽しもう。
もっと笑っていよう。


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