半分のキモチ
もう何も言って欲しくなかった。
私の本音を見られているようで嫌だった。
本当は望んでいること、
けど、どうにもならないこと。




「じゃ、何で泣いてんだよ」




清水の真っすぐな視線が痛い。
薄暗い部屋の中でも、
俯いていても、
隣に居ればそれを隠すことは出来なかった。

「泣いてないよ」

強がりも説得力はない。

「泣いても、俺は何もしてやれねーから」

分かってる。
分かってるから、それ以上言わないで。

好きなだけでもダメって言われてるみたいだった。


< 31 / 250 >

この作品をシェア

pagetop