半分のキモチ
みんなでカラオケに向かう途中、「清水」と克巳が俺の横に並ぶ。


「お前さ、宮本どう思う?」

「は?宮本?」


少し前を歩いている宮本を見つめ「宮本って好きな奴居ると思うか?」と聞いてきた。


宮本の好きな奴。


思い出すのは凛とする空気。
吐く息がまだ白さを残していた頃。


宮本は彼女が居る俺を好きだと言った。
だからどうして欲しいとも言わず、一方的に自分の気持ちを伝えるだけだった。

軽くパニックになったのをまだ鮮明に覚えている。


「清水?」

「あぁ、さーな」とごまかして俺も宮本に視線を向けた。


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