半分のキモチ
俯き泣いている宮本に俺が言うとギュッと唇を噛んで「泣くはずないじゃん」と絞りだし強がりを言う。


「嫌いならそんなこと言わないで、はっきり言えば良いじゃん」

「嫌いな訳ねーだろう」


勢いにまかせ、本音が口から零れた。


「勝手なことばっか……」


そして宮本の口からも本音が零れた。


こんな宮本をきっと克巳なら笑顔に出来るだろう。
俺は宮本と隣から立ち上がり「先に帰るわ」と一人部屋を出て家へ帰った。


その後、宮本がどうしたのか、克巳がどうしたのかは知らない。
俺が知る必要はない。


だけどスッキリしない。


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