半分のキモチ
イライラしたまま次の日学校に行けば、昨日あんなことを言ったのに視界の隅には何時もと変わらない笑顔の宮本が居る。


笑って欲しいと願っていたくせに、笑顔で居る宮本にいらつく。
本当は俺にどうして欲しい?
本当は何を思っている?


好きだと言って本音を見せているようで、本当に大切なことは何も見せようとしない。


「何だ清水、いらついてんな」

「別に」

「別にって何だよ。昨日は先に帰るしよ」


三上がそう言って宮本に視線を向け「清水が帰った後、克巳が宮本に告ってたんだぜ」と知りたくもない、俺が帰った後の話を始めた。


カラオケが終わって解散した後に、みんなで駅まで歩いている時、克巳が宮本に告ったらしい。
宮本は顔を真っ赤にして俯き、克巳は返事は後で良いからちゃんと考えて欲しいと言ったらしい。


自分がそう望んでいたことなのに、それを聞いて宮本の笑顔を見てイライラが増した。


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