半分のキモチ
「深く考えないでよ」

「え?あっ、うん」

「あっ、土曜ってヒマ?」

「土曜?予定ないけど……」

「ライブあるかよ気晴らしにおいでよ」

「ライブ?誰の?」

「俺の」


かっちゃんはニカッと笑って自分を指差した。


「えー!かっちゃんバンドやってたの!知らなかった」

「そりゃそうだよ。あんまり言ってないから」

「何で!何で!」

「ファンが増えたら困るから」

「は?」

「冗談!冗談!」


冗談には聞こえないから……
かっちゃんはモテる。
去年、同じクラスの子がかっちゃんを好きだと言う話しを聞いた。
一年の時だって、入学そうそう告られてたし。


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