半分のキモチ
「ちょっと、この中に入って行く勇気ないんだけど……」

「わ、私も……」


かっちゃんに教えてもらったライブハウスの前。
ちょっと怖そうなお兄様やお姉様。

そして、女子の多さ。


「やっぱり、辞めておく?」

「だね。ちょっとかっちゃんに連絡してみる」


私はかばんからスマホを出してかっちゃんに連絡を入れた。


「はい。はい。宮本?」

「あっ、うん」

「どうした?」

「やっぱり今日辞めておく」

「は?何で?何で?」

「なんか、ちょっと……」

「……ちょっと待ってて」

「え?ちょっと!かっちゃん!」


「かっちゃん何だって?」

「ちょっと待っててだって」

「何で?」

「さぁ……すぐ切れちゃったから良く分かんない」


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