半分のキモチ
私が渋々頷くとかっちゃんは「入り口で待ってて。着替えたらすぐ行く」と言ってまた戻って行った。

かっちゃんは言葉通り10分もしないで私と京子の所に戻って来た。


「早いね」

「早くしないと帰っちゃいそうだったからな」


冗談のような本音のような言葉に胸がギュッとつまる。


「近くのカラオケなんだよね」

「あんだけ歌ってまた歌うの?」


京子が笑うと「俺はもう歌わないけどね」とかっちゃんが笑った。

他のメンバーが来るのを待って皆でカラオケに移動した。


「愛子ちゃんって克巳と同じ高校なんだろう?」

「あ、うん。俺もなんだよね」

「え!あっ、でも、見たことあるかも」

「俺は一組」

「そうなんだ」

「佐々木裕介。学校で見かけたらよろしくね」


裕介君が右手を出して来たからそれを握ろうとすると、


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