この手を離さない
光輝ママも力を込めて後に続いた。
「でも奈美ちゃん、あなたは違うわ。健康で可愛くて、頭もいい。これから何だってできるのよ。光輝なんかに構わなくていいから、あなたはあなたの幸せのことだけ考えてちょうだい。あなたの幸せが光輝の幸せでもあるのよ」
「何言ってるの!光輝は私なんか……」
光輝ママの言葉を全力で否定した。
光輝は否定していたけど、光輝にとって大切なのはしょせん未央だけだったんだ。
私の入り込む余地なかったんだ。