この手を離さない
しかし、その日はいつの間にか光輝の元を訪れていたのだった。



私は地元の駒修大学へ入学した。



光輝と、中学時代からの親友である向井理沙(むかいりさ)と共に。



大学の入学式の日、思いがけない人と再会した。



入試の日、不注意にも時計を忘れパニックを起こしていた私に、



「あの、具合でも悪いんですか?」



と声をかけてくれた女の子がいたのだ。



事情を話すとその女の子は、



「私予備の時計持ってきてるんで、よかったらどうぞ」



と笑顔で時計を貸してくれた。



今では私の大切な親友、森本未央(もりもとみお)だ。





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