この手を離さない
「ただいま」


玄関に入ると、お父さんとお母さんが立っていた。


「奈美……光輝君と一緒だったの?」



お母さんの悲しそうな顔に、罪悪感を感じつつもどうしても苛立ちが抑えられない。



「……何か文句あるって言うの?」



今の私はこの2人と話すことなんか何にもない。


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