この手を離さない
私はあえてその女の子達の群れから離れて、光輝の隣にいる。



「奈美、行かなくていいの?」



私を見上げる光輝に、Vサインで答えた。



「私は花嫁になりたいなんて思ってませんから!」



私の掛け値なしの本心。



9割がた……ね。







「じゃあ、俺が行ってこようかな」



「えっ」



私の驚きを気にも留めず、光輝が女の子達の群れへ向かって車いすをこぎ出した。




その時。






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