この手を離さない
「奈美もさ、こんなところで文句言ってないで光輝に告っちゃいなって。永すぎた春にもそろそろ終止符打っちゃいなよ!」



未央が突然グラスをテーブルに叩きつけ、理沙も隣で頷いている。



「未央の言う通りだよ。そういうことは本人に伝えてナンボの話でしょ?」



2人が言っていることは正しい。



気持ちを伝えなければ、私達の関係はきっと永久に今のままだ。



うなだれる私を見て、



「それにしても、早いよね。来年にはもう大学4年生だよ。高校出たら急に月日の流れが早く感じるんだよね」



と理沙が話題を変える。



「そうだね。ちょっと前に入学したばかりに思えるんだけどね。あっ、ちょっと失礼」



未央はウーロン茶のおかわりに席をたった。


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