この手を離さない
「ちょっとお母さん。私もう大学生3年生よ?お金なんか落とすわけがないじゃない。小銭ならともかくお札なんだし」



するとお母さんは、



「落とす心配してるんじゃないの!あんたに大金預けたら服だか化粧品だかで使っちゃうじゃない。ねえ光輝君?そう思うでしょ?」



大げさな素振りで光輝に同意を求めている。



「確かに。奈美に万札持たせるのは危険だよ。てか、もう行こうぜ!遅刻する。じゃあおばちゃん、またね」



「行ってきます」



光輝と私は駅に向かって走り出した。




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